カメラレビュー:Nikon APS-Cフラッグシップ D500
手放す決意をしました。
ならば一言書いておこうと思う次第です。
D3300で写真に目覚め、半年で上位機種が欲しくなり思い切って買ったD500。
もう買ってから3年になります。
登山にイベントに日常にと使い倒していました。
買った当時はまだジムカーナ(車の競技)をやっていたり、スキーをしていたので動体に強い機種が欲しかったんです。
しかしその後子育てを考えてジムカーナを辞め、スキーも頻度が減り動体を撮る機会が無くなりました。
今では中古になんの抵抗もありませんが、その頃は清水の舞台を飛び降りる心持ちでえいやと買った新品の大きい買い物であり、登山でずっと使っていたため愛着が湧いていました。
D750を購入してからも子供が大きくなったらD500の性能は必要だろうと言い聞かせて手元に置いておきましたが、日に日に使用頻度は減る一方。
やはり道具は使ってこそ。
ライフスタイルの変化、時代の変化に伴いD500を手放してミラーレス購入を企てる事にしました。
D500本来の性能を発揮していないのに、レビューするのは如何なものかと思い書いてきませんでしたが、手放す事を機にレビューしようと思いました。
スペック
基本スペックはNikonのHPを見てください。
スペック上で特筆すべき点としては
ファインダー
APS-Cフラッグシップならではの高倍率ファインダー。
D800系までとはいかないまでも、D610やD750などのフルサイズ機と遜色ない広く明るいファインダーです。
丸形でシャッター閉められるギミックあるのもいいよね。さして使いませんでしたが。
アイピースがねじ込み式でまず外れないのはグッド。
ブロアーでセンサーをシュポシュポするとゴミがよく入った。
なのでシュポシュポしなくなった。
AFエリア
これぞD500の真骨頂。
一眼レフなのにファインダー一杯に広がるAFエリア。
セレクターが捗ります。
これだけAFエリアが広いおかげでカメラを振ることがなくなった。
これでコサイン誤差を気にしなくていい・・!
なんて高尚な事は私には分かりません。
ただ振らずにAFポイント決めれるのは便利でした。
WB
EXPEED5で初めて搭載されたAUTO0が優秀。
黄色かぶりと言われたNikonの癖がほぼ感じられなくなっている。
ただその分風景を撮っていると若干青みが強いきらいもあるので場面によって調整を。
シャッタースピード
1/8000秒が使える。日中に単焦点を開放で使える。
これ凄く欲しい、と思って買う動機にもなったけど、案外1/4000でもなんとかなるっちゃなる。あればいいよね、って感じ。
高感度
APS-CでISO51200という当時化物じみた高感度。
あえて画素数を落とした事で実現していると思われる。
ただし数字が凄いからと言ってフルサイズ同様!ではない。
原理原則はそう簡単には覆りません。
ただAPS-Cの中ではかなり良い方なのは事実。
ISO6400までは結構普通に使ってました。
それでもWebやスマホサイズなら全然見れる。
処理が秀逸。
SnapBride
Bluetoothで常時転送!鳴り物入りで初搭載の機種でもある。
しかし皆さんご存じ悪名高きSnapBride。
慣れてない人はとにかくつなげる事に苦戦するし、繋がってもまた切断後に再度使いたい時につなげようとすると繋がらない、みたいな。
Wi-Fiで確実に繋げた方が転送も速いよね。
後常時接続だと電池消耗激しい。
コツを掴めば普通に使えるけれど、あまり親切仕様ではない。
こういうの苦手そうだもんね、Nikon。
とは言ってもずっとアップデートしていて、今ではある程度普通に使えるようになってますね。
バッファ
高速連続撮影のコマ数は当時は凄かったものの、その前に7D mark2が達成してますし、ミラーがないミラーレスでは比較的簡単に到達出来ているので10コマ/秒は既に珍しいものではありません。
ただ大容量バッファは2021/4現在でもAPS-C機では上を行く機種がありません。
大概の機種が14bitRAWで30枚-70枚くらいが限度な所、D500はなんと200枚。
しかもそれが瞬く間にXQDに書き込まれていくわけです。
まさにバッファフリーと言っても過言じゃないんじゃないでしょうか。
そこまで撮るかは別として、バッファ詰まりする心配がないというのはいい事ですね。
スペックに現れないところ
ユーザーセッティング
D800系と同じくユーザーセッティングを複数(5個くらいだったかな?)保持出来る。
D750を使って気づいたが、こちらの方が優秀。
ユーザーセッティング機能が独立しているので、一つのユーザーセッティングの中で状況に応じてモード切替や設定を覚えていられる。
例えば結婚式ではベースはこのセッティングだけど、ピクコンやら諸々の設定はそのままで露出モードはMとAを柔軟に切り替えたいよね、ってのに対応出来る。
D750系のモードダイヤルにユーザーセッティングが組み込まれているタイプだとこれが出来ない。ここは大きな違い。
こういうところは上位機種の特権か。
ボタンイルミ
地味に便利だった。星撮りや泊り山行での朝一などの薄暗い時間帯にセッティングを行う時など。優しい灯りで人差し指一つでONに出来る良さ。
グリップ
個人的にはD750の次に持ちやすい。
これらのグリップの良さに慣れると、他機種の浅いグリップが非常に持ちにくく感じる。
堅牢性
結構ぶつけた |
山行中に岩にぶつけまくったり、旅行中に床に落としたり、かなり荒い扱いをした。
塗装がはげたりキズが付いたりはしたけれど、故障は一切なかった。
軽い雨にも打たれたけど問題なし。
Nikonの信頼性は、ここにある。
雨に降られたけど特に問題ない |
使いきれなかったところ
AF性能
最強AFと言われているものの、動体もほとんど撮らずAF-Sばかり。
宝の持ち腐れとはこのこと。
本来なら見合うレンズと共に運用するのが筋でしょう。
システム拡張性
ライティング関連もいろいろ出来たようだし、各インターフェースも上位機種同様のものが備わっていたけど、使ったのはクリップオンストロボとレリーズくらい。。。
高速連射
山にばっかり持って行っていたので、高速連射はほぼ不要。
バッファフリーなくらい気持ちよい連射は最高だけど、基本シングルでした。
所感
こう書いてるとD500最大の特徴のAFと連射を生かさなかったって、なんでD500買ったの?って言われそうだけど、欲しかったんですよ仕方ない。
走り回る子供を、とも思ったけど生まれてから1年半くらいは高速AFなんて必要ないです。
後レンズもいいもの使わないとそこまでAFの速さを感じられない。
良いものと組み合わせてこそ、ですな。
ただ堅牢性や各機能の豊富さは抜群に使い勝手が良かったし、頼れる機材という感覚は心地よかった。
D750を買ってからは自分の使い方では概ねD750で十分という事も有り、フルサイズの階調、レンズを本来の画角で使える良さからほぼD500を使わなくなってしまった。
大きさもD750より大きいし。
自転車を初めてコンパクトなミラーレスが欲しくなってきたこともあり、非常にコンパクトなZ50が出て、価格が落ち着いたタイミングでD500を手放してZ50を迎える事にした。
手放したけど、カメラの使い勝手の良さを教えてくれたし自分の中では長く使ったので愛着もありました。ありがとうD500。
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