Nikon Z 28mm f2.8 と Z 40mm f2 レンズのレビュー?

 

さて、発売時の熱もひと段落したあたりで軽くレビューしたいと思います。

NikonのZシステムを導入してから気軽で手ごろな単焦点が不在でした。


Z6はメイン用であり、かつ標準ズームのZ24-70f4sが沈胴という事もあってそこそこコンパクトなのでさして苦にはなりませんでした。

しかしZ50は普段用の気軽に持ち運びたくて導入したもの。

キットズームの16-50はピカイチでコンパクトかつ軽量で使い勝手もいいので重宝しますが、やはり単焦点でも遊びたいというのが人心。

また普段子供を撮りたいと思った時に、帰宅後の自宅内は室内照明のみ。

キットズームでは暗いのです。

そうなると明るく小さい単焦点が欲しい。


一度はpergearの25mm f1.8なんかも遊んでみましたが、やっぱり動き回る子供をマニュアルフォーカスで追うのは辛いものがあります。


そこへZ fcのキットレンズとしてまずZ28mm f2.8が発表され、さらにZ 40mm f2も発表されました。どちらも安価かつ小型軽量で、フルサイズでも使用可能。

フルサイズとAPS-Cでマウントを共有しているメリットが生きて来ますね。


常々28mm f2.8というのはAPS-Cでは標準域として使いやすく、フルサイズでは広角域として使いやすいという万能選手と思っています。

登山の時も小型軽量であるなら+1本持っていけますし、最初の樹林帯は日が登りきるまでは暗い場面も多く、明るい28mmがあると重宝します。樹林帯で35mmでは狭く、24mmでは広いのです。

しかしそのためだけに単焦点を持ち歩くのは。。。と思いますがそれも小型軽量であれば両立できる話。樹林帯ではMFでも構わないので、D750の時は小さなタムロンを持って行っていたのですがアダプターつけると。。。ね。

後は一眼レフのMFはフォーカスエイドが正確だったのでMF使いやすかったんですが、ミラーレスのフォーカスピーキングはコントラストに依存するのでニュートラルなどのコントラスト低めのピクコンやコントラスト低い被写体だとどこにピントがあるのか分かりにくいです。フォーカスピーキング絶賛されてるけど、自分はフォーカスエイドの方が良かった。

EVFで拡大すればいいじゃん!その方がピント精度も高い!なんて話もありますが、登山中にそんな毎度毎度拡大してピント合わせてじっくり。。。なんて自分はやりません。

気になった被写体があったらパッと構えてサクッと撮って。フォーカスエイドの場合自分で判断する必要がないので簡単でした。樹林帯の静止した被写体であればあまりAFと手間も変わらず。しかしフォーカスピーキングやEVFの拡大は上記のような使いにくさがあり、使っていません。あとEVF拡大するとブレが気になっちゃって撮りにくいっていうのもあるよね。

なのでAFの小型な28mmはドンピシャなわけです。


閑話休題


先にも述べた夜の家の中でも写真を撮りたい時というのはあります。子供が小さいうちは特に。

40mm f2はf2.8より明るく、かつ40mmという焦点域に惹かれました。

そして非常に安価だったので、気軽に買えるなというのも相まって両方導入となりました。

両方買ったら高性能なZ 50mm f1.8買えるやんというのは置いておいて。用途が違う。

高性能レンズはそれはそれで使ってはみたいですが、オールドレンズで許容範囲が限りなく広くなってきた自分にとっては高性能というものにはあまり興味がなく、必要な場面に応じた性能さえあればいいというスタンスです。それよりも大きさ、軽さ、寄りやすさなどを含めた総合性能重視。

NIKKOR Z 28mm f/2.8 

Z50に装着

はい。Z50につけてみました。
フードはHN-2。元々ボディモーター用のAF 28mm f2.8などで使われるフードで、画角が同じなので特にケラレなどの問題はありません。ねじ込み式なのですんなりつきます。
フードが同梱されておらず、設定もないのは残念ですが、コーティングへの自信の表れでしょうか。いくらコーティングが良くても扱いが雑な自分はフードは必須ですが。

自分が購入したのは意匠がAiレンズを彷彿とさせるSpecial Edition。AF-Sの50mmにもこんなのありましたね。絞り環はないです。
Zレンズのデザインで統一した通常バージョンもあってそちらの方が安いのですが、40mm f2も同時導入したので混乱しないように外観が完全に異なる方を選びました。

Z6 f2.8 1/125 ISO1600

Z6 f2.8 1/180 ISO800

画質に関してはS-Lineではありませんが、普段使いする分には問題ないと感じます。
青空を切り取るような画角の場合は周辺減光が多少気になるかもしれません。

Z6 f2.8 1/500 ISO100

Z6では扱いやすい画角、最短撮影距離も0.19m(0.2倍)なのでそこそこ寄れます。
寄れば十分なボケも得られます。

Z50では標準域のレンズとして使えます。
ボケもそこそこ得られますし、ボケ自体もクセがなく綺麗だと思います。

Z50 f2.8 1/250 ISO100

Z50 f2.8 1/1250 ISO100

Z50 f2.8 1/2000 ISO100

高周波な被写体も十分に解像します。この辺りは16-50とも違いを感じますね。
こちらの方が当たり前ですが良く解像し、かつ色乗りも良いと感じます。
色乗りが良いので、逆光時もコントラストを良く保っていて紅葉の美しい色が出ます。

Z50 f2.8 1/2500 ISO320

Z50 f2.8 1/2500 ISO320

Z50 f2.8 1/160 ISO100


Z50 f2.8 1/250 ISO100

Z6 f2.8 1/180 ISO100

そこそこ寄れることも相まって、フルサイズで使えばf2.8でも十分なボケ量が得られますね。

NIKKOR Z 40mm f/2


Z6に装着の図

こちらも先述の28mmとサイズ感はほぼ同程度。28mmを通常モデルにすると、おそらくぱっと見で見分けがつかないです。
こちらはフルサイズの標準画角よりちょっと広めの40mm。
APS-Cでは換算60mmの画角になります。Fマウントでは小型軽量なマクロレンズで40mmf2.8Gがありましたね。
またオールドレンズの域になりますがAi 45mm f2.8なんていうパンケーキレンズもありました。使った事ないですが。

Zマウントでは最初に出したZ 50mm f1.8がGシリーズのf1.8とf1.4の中間のような性能として出している事からエントリーモデル、いわゆる撒き餌レンズの存在がありませんでした。
Fマウントでは長らく安価小型高性能で作れるダブルガウスの50mmf1.8というスペックが定番でしたので、各社ほぼ同じようなレンズが撒き餌として存在していました。

Z 50mm f1.8は画角と絞りこそ従来の撒き餌と同じですが、レンズ構成を見ただけで明らかに別のレンズだという事が分かります。構成枚数も多いし、より複雑なレンズエレメントになっていますね。という事は50mmf1.8でありながら、従来よりも高性能を与えたレンズというわけですね。

ただ表面的に見ると今まで安かった50mmf1.8が高くなった!Zレンズは高い!
と言われてしまっているのかなと思います。
機材好きじゃなけりゃレンズ構成図なんて見ないでしょうし。
分かる人は分かる、というのも好きですがそればっかりじゃ商売になりません。
しかし他社は従来の撒き餌で出してきているので、どうしても比較されたら値段に目が行ってしまいますよね。だからこそ値段の違いはこういうところにあるよ、というアピールが必要だなと思います。

脱線。

そこで満を持して投入されたのがこの40mm f/2なわけですね!

Zマウントの恩恵を受けるべく大きな後ろ玉を採用し、スマホ全盛で広めの画角が当たり前になってきていることに合わせて標準域を広角化した40mmという画角。

先行した開放から高解像なZ 50mm f1.8と差別化するためか、開放は柔らかい描写で絞るほどに解像するという今までの単焦点らしいレンズ。
それでいて開放はf2という明るさをキープしているのでボケも楽しめます。

そして何より価格が安い。
純正でこの価格で出してくれりゃそりゃ買いますよね。AFだってこの画角で想定されるような一般的な撮り方では不満はないです。

さて、ここで50mm f1.8G、Z 40mm f2、Z 50mm f1.8sのレンズ構成図とMTF曲線を並べて見てみましょう。画像は Nikonのそれぞれの製品ページからの引用です。


引用:
https://www.nikon-image.com/products/nikkor/fmount/af-s_nikkor_50mm_f18g/
https://www.nikon-image.com/products/nikkor/zmount/nikkor_z_40mm_f2/
https://www.nikon-image.com/products/nikkor/zmount/nikkor_z_50mm_f18_s/

まずレンズ構成に着目してみると、明らかに構成枚数がZ 50mmだけ違いますね。

50mm f1.8G  :6群7枚(非球面レンズ1枚)
Z 40mm f2    :4群6枚(非球面レンズ2枚)
Z 50mm f1.8 :9群12枚(EDレンズ2枚、非球面レンズ2枚、ナノクリスタルコートあり)

また40mmは50mmf1.8Gと比較すると後ろ玉がZマウントに合わせて非常に大きくなっています。50mmf1.8Gはボケがあまり綺麗ではないと言われます。40mmはボケがなめらかですね。また50mmf1.8Gは色乗りが悪く、個性と言えば個性ですが、少し古い描写かなと思います。40mmは色乗りも自然です。レンズ構成の違いがこういう所に表れるんでしょうか。
Z 50mm f1.8Sは持っていないので描写を論じる事は出来ませんが、40mmと似たレンズ構成を中央に持ってきて、前後にさらにレンズを配置しています。また前玉が凹レンズというのも何かそそりますね。

と色々言っているものの、専門家ではないので違うからそれがどう影響しているのか、までは私には分かりません。ただ明らかに違い、こういう所が価格や描写の端々に表れているのだろうと思うわけです。

MTF曲線に関しては50mmf1.8Gは同心円方向(赤線)が途中から急激に落ち込んでいることが見て取れます。それに対して40mmはなだらかに下がっていますね。
50mmに関しては天井に張り付き、最後少しだけ落ちるといった傾向ですね。

写りで見ると50mmf1.8Gは開放で周辺減光が中々にあり、目立ちます。
それが悪いというわけではなく、ある意味個性的でもありますが。
また中央は解像しますが周辺部は普通です。
40mmは周辺減光はあるものの、激しくはなく自然です。でも解像性能の指標だから、周辺減光は関係ないのかな?

実際に撮影してみて感じた感覚的な事を、こうしてデータを見て想像する事で自分の中で多少は理解と納得につなげられますね。
本当は勉強して正しい知識を身に着けて見ると、また全然違う理解が得られるのでしょう。

因みにレンズ構成図は複数会社間でも比較できますが、MTF曲線は基準や測定方法が異なるようなので、比較するなら同じ会社の中の別製品で比較するのに用いるといいみたいです。

閑話休題

Z6 40mm f2 1/45 ISO280

Z6 40mm f2 1/125 ISO140

Z6 40mm f2 1/125 ISO400

Z6 40mm f2 1/1500 ISO120

Z6 40mm f2.8 1/2000 ISO100

Z6 40mm f2 1/1000 ISO100

Z6 40mm f2 1/125 ISO6400

まぁ、ぶっちゃけた話、色々書いたんですが、手元の50mmf1.8Gと40mmf2を撮り比べてもそこまでの違いを見いだせないです。
50mmf1.8Gでも全然問題ない。瞳AFだってガンガン効きます。

まぁでもFTZがね。やっぱり少し煩わしいところはあるわけで。
そしてこの価格なら、置き換えてもいいかなと思うわけです。

てなわけで少しでもいいなと思ったら、考えるより先に買いましょう。
買って、撮ってみてから手元に置いておくかどうか考えればいい、そんな性質のレンズかなと思います。

まぁ品薄ですぐには手に入らないですが、ポチっといて忘れたころに届いたらプレゼント感があるんでそれはそれで良きでしょう。なんて。




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