【レビュー】Nikon AI AF Zoom-Nikkor 24-85mm f/2.8-4D IF ~マクロが便利・登山にうってつけのレンズ~
きっかけは山で花の写真を撮りたかったから。
手持ちのレンズでも撮影出来るけれど、寄れなかったり暗かったりと中々良い塩梅のものがない。
16-80 F2.8-4Eは16始まりで明るく良いレンズだけど寄れない。
18-55 AF-Pは寄れるが暗いし55では足りないことが多い。
何より花をもっとアップで写したいのだ。
そこで名古屋に行った際にマクロレンズを物色。
最初に候補にあがったのは下記のレンズ
■AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
爆速AF、カリカリの解像度、ポートレートにも使える焦点距離など言わずと知れた銘玉。
ナノクリコートで逆光にも強いときている。マクロ本来の等倍撮影も可能。
人気レンズなので中古でも4万程度とそこそこの価格がネック。
後は単焦点で軽いけれど中々の大きさがある。
■AI AF Micro-Nikkor 60mm f/2.8D
1世代前のマクロレンズ。現行型とスペックは似ているがボディモーターでしか動かないのとナノクリがない。値段は2-3万とお求めやすいんだけど重さ大きさがなんともし難い。
通常利用には良いんだけど花撮影のためだけに山に持ってくとなるとちょっと。
■AF Micro-Nikkor 55mm f/2.8
Micro-Nikkorの名を世に知らしめたであろう55mmの光学系を使いながらAFを可能にしたレンズ。鏡胴がプラスチックなので安っぽいがその分軽い。
等倍撮影も可能なのが嬉しい。
ただしあまり生産されなかったのか玉数が少ない。
価格もF2.8Dとそんなに変わらない。AFが入ることで若干大型化しているのもネック。ピントリングは細くマニュアル撮影はやりにくい。
■AI Micro-Nikkor 55mm f/2.8S
漢字を記録出来るように同世代のマクロレンズよりを上回る解像性能を追求したというのは有名なお話。
これはマニュアルレンズになるので山で扱うのは難しいと思うが、数も出ているおかげか価格が安い。ピントリングもマニュアルレンズなだけあって非常に回しやすい。
そして何より軽くコンパクトであるのにマクロ域の解像度は現行型に劣らない。
そしてそしてオールドレンズに足を突っ込んでるあたりが物欲をそそる。
ただしそのままでは等倍ではなくハーフマクロなのは多少ネックか。
と、上記のレンズを何店舗か回って全て試写していった。
状態はあまりよくなかったが、AF Micro-Nikkor 55mm f/2.8が最有力候補か、と考えていたところに・・・
カメラのキタムラのB級品で下記レンズを発見。
お値段は2万強。
■AI AF Zoom-Nikkor 24-85mm f/2.8-4D IF
と思いよくよく見て調べるとマクロモードがついている。
マクロモードなるものはシグマやタムロンのレンズにもあるが、なんちゃって。
少し寄れる程度だと考えていた。
が、このレンズはなんとハーフマクロだった。55mmと同じやないかい。
だけど安いし写りがたいしたことないんでしょ。。。
と思い手に取ってシャッターを切ってみると。。。あれ?
何これ良くない?
同じく出してもらった60mmf2.8Gと撮り比べてみるが、解像度にほとんど差がない。(少なくとも自分の目には)マクロ域もハーフまで寄れれば花撮影には十分そう。
しかも他のマクロレンズが撮影距離によって絞りが暗くなるのと違い、このレンズは通常のレンズなのでF4より暗くならない。
さらにさらに何と言ってもズームで85mmまであるのでワーキングディスタンスも取れるしポートレートにも良い距離。重さもこの性能ならむしろ軽いくらい。
AFはボディモーターだけど使用してるD500なら気になるレベルではない。
B品だけどどこが?という感じで外観もレンズも全然綺麗。
気づいたらお会計を済ませていた。
ニコンの良いところは純正のFマウントの歴史が長いので、様々な時代のレンズを安価に楽しめることか。
マクロモードは35-85mmで使用できる。
スイッチの切替のみで移行できるので便利。
フードはHB-25。マニュアル撮影はピントリングが細いしスカスカなので向いていない。
以下、外で撮ってみたが良い解像感。最近のレンズと比べても全く遜色ない。
というか16-80よりも全然良い感じがする。
16-80との使い分けが難しくなったな・・・と思っていたがこのレンズにも欠点が。
解像しすぎる、ということ。女性を撮影するのに向いていないなと思った。
肌が描写されすぎる感じがある。
ポートレートはもっと柔らかい写りの方が良い。
しかし本来探していた山用としてはベストに近いのではなかろうか。
雪も写し込む? |
逆光耐性はそんなに強くなく普通 |
このレンズを購入した時はワーキングディスタンスについて、聞いたことはあるものの全く考えていなかった。
しかしある程度使っていくにしたがって気づいた。
寄りすぎるとフードの影が映りこんだり被写体にぶつかりそうになるということに。
それで真面目に考えてみたらワーキングディスタンスは35mm程度。(フィルター有)
むちゃくちゃ短いのだ。フードを使えないレベル。
カタログ値には最大ズーム時の全長が書いてない。
実際85mmに繰り出した時の全長はフィルターをつけて127mm。
マクロ機能有効時の最短撮影距離は85mmで210mm。
Fマウントのフランジバックが46.5mmなので、
210-127-46.5=36.5mm
となる。そりゃあ撮りにくいわけだ。
因みにカタログ値だけで見ると意外にも60mmf2.8Dが優秀で、等倍で100mm近くのワーキングディスタンスを誇る。
ちょっと見直した。でも重い。
AF-S 60mm F2.8は意外にも50mm程度だ。
AF-S DX 40mmは50mm以上あるが、等倍時に少し伸びるようなのでもう少し短いだろう。
そう思うと中望遠マクロはワーキングディスタンスをしっかり確保出来て使いやすいという一般論に納得がいく。ただしレンズは大きくなるので携帯性は落ちる。
悩ましきかな。。。
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