日帰り:笠ヶ岳ピストン(笠新道)~北アルプス三大急登・独立峰のような存在感~


9月中は晴れが中々なく、もんもんとしていたところ日曜に晴れマークが! しかも前日午後から予定がないから前日入りできる!(いつもは土曜夜に予定がある) こんなチャンス滅多にないと思い、悩み抜いた末北アルプスに挑戦することに。 10月入ると南はまだ行けそうだけど北は雪に閉ざされてしまいそうなので。 中でも常念岳か笠ヶ岳で最後まで迷ったが、三連休の中日ということもあり、常念岳は混雑していそうなので笠ヶ岳に決定!健脚者向けらしいけど、まぁなんとかいけるでしょ! ・・・と、喜び勇んで出発しましたが、結果は死ぬほどキツかった。死にませんでしたが。 健脚者向け、という言葉は伊達ではないようです。
とはいえ晴れたこともあって展望は最高! 槍・穂高連峰が壁のように立ちはだかり、焼岳、その向こうには乗鞍と御嶽が優雅に裾野を広げている。



振り返れば立山、黒部五郎が雄大に構え、さらに目を移すと彼方に白山連峰が。360度の展望とはまさにこのこと。 笠ヶ岳自身、独立峰かのような雄大な山容を持ち、カッコよすぎて一目惚れ。 槍穂高もいいですが、紅葉と岩のコントラストを見にまとい、特徴的な山頂を持つ笠ヶ岳は素晴らしいと思います。


鍋平駐車場〜登山口

日帰り組が帰る頃かと思い、前日18時ごろに着いたが最寄りの登山者用駐車場は満車。残念ながら鍋平駐車場に停めることに。 鍋平駐車場は広いが、新穂高登山センターに行くまでに登山道を降りなければならない。 行きはまだいいが帰りは疲れ切ったところに30分の登り返し・・・お判りいただけるだろうか?

長時間の行程なので2:30に出発し、ヘッデンで登山口まで。 林道はところどころ舗装されている。 行きも帰りもほぼコースタイム通り。



ヘッデンの明かりだけだと途中分かりにくいところがあったりするが、看板や地図に従えばOK。 後ろから来てた人のヘッデンの明かりみて思ったんだが自分のペツルえらく暗いような・・・。ぺツルは単純な明るさよりも”長く見える”ことに重点を置いているらしいからそのためだろうか。 登山口に水場がある。ここから山頂近くの小屋まで水場は一切ない。ご利用は計画的に。





登山口〜杓子平

笠新道の激登り。もうとにかくひたすら登る。 トラバース?何それ美味しいの的な男気溢れる登り。



勾配は急だが丁寧に道をつけてあるので淡々と登り上げる。 言われるほどキツくないなと思ったが、後でキタ。 途中からは振り返れば槍・穂高連峰や焼岳、乗鞍が見える。下りは日も当たって綺麗に見えた。途中で昔ながらの装備のおじさんに先に行かせてもらったが、長靴で登っていた。八ヶ岳でも見たけど山に住むレベルになると長靴が最強なんだろうか。


ご来光ポイント


乗鞍、焼岳が見える

ごつごつとした岩も登る

差し込む朝日が美しい


杓子平〜笠ヶ岳分岐(稜線)

杓子平で一気に視界が開け、笠ヶ岳の山容を一望出来る。登って来たキツさのご褒美。感動もひとしお。とんでもなく最高とはこのこと。


しばらくなだらかな道を山肌までルンルン気分で歩く。

ひたすら絶景

が、ここからも山肌に取り付いてひたすら登る。ガレた岩場を延々と。 登り大好きっこには垂涎もののコース。
かなり広々としている区間なので、視界不良の際はルーファイにかなり気を遣うだろう。


おにぎりを補給する。塩にぎりの万能感。

中々の急登

分岐〜笠ヶ岳

稜線歩き。いわく、天空の散歩道。 杓子岳方面は道が分かりにくい。杓子岳山頂もひっそりとしている。展望は良好。


杓子岳方面

笠ヶ岳の全容が見えた。壮大なドラマだ。

杓子岳山頂はひっそりとしている。槍穂の展望が望める
稜線は岩石と紅葉のコントラストで美しく、周囲の展望も非常に良好。 槍、穂高、焼岳、乗鞍。振り返れば立山、黒部五郎、薬師、双六などそうそうたるメンツが一同に揃う。


黒部五郎に薬師岳

岩石と紅葉のコントラストが美しい

笠の堂々たる山容たるや

しかもまさかの雷鳥に出会えるという嬉しいハプニングも。稜線ならでは?
初めて実物を見たけれど想像以上のもふもふ具合。これはヤバイ。
また雷鳥は基本保護対象になっているからだろうか、人間を脅威と思っていないようであまり逃げないので写真も撮りやすい。

もっふもふ。初めて見た

視線の先には笠が

しばらく歩いて大きな岩を抜けた後、最後の登りに取り掛かる。ここですでに大分足があがらないことに気づく。食べても足は前に進まなかったので、ゼーハー言いながらなんとか気合で乗り切る。



登りの中腹にある笠ヶ岳山荘は全体的に綺麗。 水場も山荘前にある。 トイレも臭いなしで綺麗と好印象。 トロピカーナを購入するとキンキンに冷えていてありがたかった。

この後の登りが短い区間だけどかなりきつかった。
ここまで長く登ってきた疲労が一気に出たみたいだ。
鉛のような足を上げながらなんとか頂上まで辿り着く。 山頂は祠があるエリアと山頂標識があるエリアに分かれる。展望は最高。そこそこの広さもあるので昼食もとってしまう。



歩いてきた稜線

棒ラーメンに焼き鳥缶を入れたが微妙だった。料理センスの無さが・・・
山頂にいた人の中で”重い荷物を背負ってないと不安になる”と言って大きなザックで来ている人がいた。普段トレーニングもせず登山頻度も多くない自分のような軟弱者には吐けないセリフだ。

下り

激登りした分ガシガシ下らなければならない。 来るときは絶景に癒されて気にならなかったが、比較的なだらかなこの稜線上も多少の起伏がある。疲労が溜まっている足にはこれでも堪える。


絶景で気持ちを癒すが体力に限界が来ている
ヘリが飛んでいる。救助だろうか、荷揚げ後だろうか。

行きは絶景に目を奪われて気にならなかったが案外起伏がある
なんとか分岐点まで来ると、後はひたすら下るだけ。登り返しはほぼない。 杓子平までは見えているので比較的サクサク下れるが、杓子平から登山口までがまぁー長い。 膝が割れるかと思うほど痛くなるけど1本道でひたすら下る他ない。ただ杓子平を超えるとしばらくは目の前に槍・穂高連峰を見ながら下りれるのは嬉しい。
見納め。人も増えていたがこの時間にここだと山荘まで辿り着けるのか?

槍穂高を眺めながら下る

槍穂高も見納めだ

登山口まで下ると林道歩きを1時間。




その後鍋平まで30分の登り返しという、脚を痛めつけたい人にはうってつけの苦行が待ってます。 が、静岡まで帰らなきゃ行けないし次の日も仕事だしという言い訳を盾にロープウェイの麓に待機していたタクシー利用しちゃいました。 程よい罪悪感と共に山行終了。 後で知りましたが第一ロープウェイだけなら400円らしい。ロープウェイの方が安いな。 タクシー運転手さんも笠ヶ岳を日帰りしたと言ったら驚いてました。槍の日帰りよりキツイんじゃないかと。 ということは槍は日帰り出来るのかな?笑 とにかくしんどいが、その分晴れた時は最高の展望のご褒美がある。そんな山でした。


気づきまとめ

・登り6時間以上は下りも合わせると相当キツイ ・コースタイム10時間台までが無理のない範囲 ・車中泊は意外と寝れる ・アクエリばかり飲んでいると少し気持ち悪くなる ・登りのタイムはコースタイムより早いが稜線上などはコースタイムくらいしか出ない印象 ・北アルプスは人気エリアだからなのか、The登山者、というルックスの人が多い。カラフル。


持参した機材

・Nikon D500
・Nikon AF-S DX 16-80mm f/2.8-4E VR
Nikon AF-P DX NIKKOR 10-20mm f/4.5-5.6G VR

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