【撤退】唐松岳日帰り
仕事の合間と晴れ間が重なったのでここぞとばかり有休をぶち込みます。
年末年始は大雪が降ったので、雪山らしい雪山が見れるのではないか、との期待から北アルプス方面にする事に。
特に珍しく後立山連峰も晴れそう!
これは行くしかないと、後立山連峰の中で唯一日帰りが可能そうな唐松岳に向かう事に。
アプローチ
まずは唐松岳に行くためのアプローチ。
後立山連峰がある白馬エリアは言わずと知れたスキーエリア。
五竜、唐松、白馬それぞれにリフトやゴンドラがあり、それらを利用して途中から登り始めるスタイル。
しかし逆に言えばそれはリフトの時間に制限されるという事です。
今回の唐松岳へは八方尾根スキー場のゴンドラ「アダム」(8:00開始)からアルペンクワッド(8:30開始)、グラートクワッド(9:00開始)を乗り継いで八方山荘からスタートします。
昔やっていたスキー・ボードの経験からリフト券売り場が並ぶのは知っていたので7:00には無料の第3駐車場に止めて向かいます。(歩いて10分程)
平日という事もあり、駐車場は比較的空いてました。
リフト券は7:40くらいには販売開始しました。登山利用の場合は登山計画の提出が必須ですが、web提出している場合は口頭で伝えるだけで良いとの事でした。
チケット売り場で日の出 |
意外と暖かい |
運航開始 |
最上部に位置するグラートクワッドが風の影響などで運行停止する事が多く、運行しているかヒヤヒヤしてたのですが、無事往復で買えました。
ゴンドラとリフトは普通に寒く、最上部は既に森林限界超えなので最初から防寒しておいた方が良いです。
アルペンクワッドの営業開始待ちが1番寒かった。地形的に風が通るのか、とにかく寒い。
グラートクワッドの入り口はそこまで寒くなかったですね。
アルペンクワッド待ち |
しかしグラートクワッドがどうやら除雪が進んでないとかで運行開始が遅れるとの事。
ただでさえ時間に余裕ないのにマジか・・・と思いつつも除雪ならそこまで時間かかるわけじゃないと踏んで待つ。
待ち時間に後ろのお兄さんと少し雑談。
GoProは寒さに弱くて、SONYのアクションカムは強そうだとか。ほえー。
GoProがデファクトだと思ってたけどそうでもないんですな。
行列 |
9:15頃に除雪が終わり、(どうでも良いけど除雪車あの傾斜をグイグイ登るから凄い)無事に9:40くらいには八方山荘に到着。
八方山荘〜八方池
リフトの下はまだガスってましたが、リフト上は雲を抜けて抜群の展望!
これが見たかった!
白い!!
念願の白馬岳やぁー! |
雲上の・・・なにやつ |
周りを見ると登山者3割、BC7割といった様子。
そしてスノーシューの多い事。
ワカンよりスノーシューの方が一般的なんですかね。
スキーの皆さん、シールがあるのかサクサク登っていく。すご〜。
展望でテンションが上がっていた事と、周りにつられてついペースが上がってしまいました。
後に効いてくるから厄介なもんです。
最初は急登を直登。
登りを抜けるとだだっ広い尾根が広がります。
確かにこれはホワイトアウトしたら危険だわ。
五竜をバックに |
直登が意外とキツイ! |
最の高 |
第一ケルンです |
広ーい |
右手に白馬岳、左手に五竜岳の勇姿を眺めながらの贅沢な尾根歩きです。
しかし風が・・・強いっ!
初っ端からこの間の赤岳並みの強風が叩きつけます。
しかし進めないわけじゃないので一歩ずつ歩いて行きます。
スキーやスノーシューは浮力が高いようで、ワカン&アイゼンの自分は若干沈みつつ歩きます。ただツボ足よりはマシかな?とは思いつつ。
八方池のあたりで思わずしゃがみ込んでしまう程の強風が来ます。
やはり厳冬期でもリフトで簡単にアクセス出来るとは言えそこは北アルプス。
伊達じゃありません。
しばし風に耐え、また少しずつ進みます。
八方池はしっかり凍っていて雪も積もっていたので何も見えず。
ただ八方池からの白馬岳の展望は最高ですね。
風が強く、終始雪埃が舞っている |
八方池〜丸山(撤退)
八方池から先はBCの方はかなり減り、登山者が多くなります。
少し尾根が細くなり樹林がまばらに生えている地帯に来ます。
風が弱まるかと思いきや全くそんなことはなく。
急に穏やかになることも |
ここで木陰で一旦補給しようと思い、レインウェアのポッケに入れた甘納豆を取り出そうとすると・・・あ、開かない!
ジッパーが開かないだとぉ!
強く引っ張るとジッパーのヒモが取れる始末。
凍ってるのか?
諦めてザック下ろして雨蓋からあんパンを取り出して捕食。
しかしそこはあんぱん。
おにぎりほどはエネルギーになりません。
ここでおにぎりを補給すべきだったか?
あまり力が出ませんが停滞していても冷える一方なので行動再開です。
樹林地帯を抜けるとさらにもうひと登り。
だんだん雪が多くなっており、一部腰ほどのラッセルになって遅々として進みません。
どうも抜けるところとなんとか抜けずに行ける所がある模様。
こういう時はスノーシューの浮力が羨ましい。
しかし言われている通り、急登ではワカンも中々に登りやすい。
下りではスノーシューの方が難儀していたので、一長一短ですね。
ラッセル地帯を抜けると再び緩やかな尾根に出ますが、ここでとんでもない強風が。
普通に体が浮きます。ピッケル刺して耐風姿勢でなんとか耐えられる程度。
あと少し・・・でも本当に吹き飛ばされそうだった |
無理だよね。撤退します。 |
レンズがぁぁぁぁ |
前を歩かれていた方が撤退されました。
自分は唐松山荘もそろそろ近そうだったので、もうひと踏ん張り、と思いましたが一歩進む毎にさらに風が強さを増す。
ほんの10mほどの間隔でここまで違うものか!?という感じです。
耐風姿勢も体が冷えるのでそう長くは持ちません。
一向に止む気配もなく、このままだと風で滑落しそうだったので無念ですが撤退する事にします。
と言ってもほんの数m戻るのが命懸け。
ピッケル頼りに半分這いつくばりながら戻ります。
こんなに青空で、唐松山荘まで行けば絶対雪化粧の剱岳が見れるのに・・・悔しいもんです。
昨年に引き続き、厳冬期2度目の撤退です。
前回は準備不足も多かったですが、今回はなんかもう人間の限界を超えてるような気がしました。
気温は-3〜-5くらいで大した事無かったんですけどね。事実動いていれば寒さは感じませんでした。(顔に雪が当たって冷たいのはありましたが)
しかし下りリフトの最終は15:30。
撤退を決断した時間が11:30くらい。
待ってからの再アタックするには時間が微妙と判断して下ります。
とんでもない強風にあたったので、下る最中の強風は既にああそうですかくらいの体感になっていました。
投げやり |
いつかリベンジしたる! |
白馬は厳然と美しく佇んでる |
ひょえー |
ふぅ |
かっこよすぎる |
またいつか |
残念ではありましたが、雪化粧の白馬岳と五竜岳を間近で捉える事が出来、厳冬期北アルプスの厳しさの一端も経験出来たので良しとします。
スキーの頃の名残か、無性にカツカレーを食べたくなったので帰りに八方山荘でカツカレーを頂きました。(昼食は14時まで)
1150円と良心的なお値段だけど旨いしお肉もしっかり入ってボリューミー!
ご馳走でした。
下りのリフトは降りた所でチケットを見せる方式で、ゴンドラのみ乗車時でした。
以前はスキーやボードで来ていた白馬に登山で来るなんて随分不思議な感じがしましたが、中々充実した山行でした。
所感
機材
初めてZ6、Z24-70f4s、Z14-30f4sを持参しました。
買って早々、登山の初出動がこんな状況とは、自分でもどうかと思いますがNikon機材は信頼しているので。
案の定非常に取り回しが良く、14mmが使えるので画角や画質には全く不満がありません。
フルサイズ14mmをフィルター付きでこの軽さで持ち出せるのは快挙ですね。
ただ、試しにレンズ交換したところ雪埃がセンサーに付着して画像に影ががっつり・・・。
急遽シュポシュポはしましたがセンサーへの影響が少し心配です。
そんな中でレンズ交換なんてすんなって話ですが、撮りたい優先です。
まぁでもミラーアップしなくていいからゴミ取りもしやすいっちゃしやすいんですが。
その点CanonのEOS Rにあるシャッターを閉じる機構はゴミがつきにくそうでいいですね。
後はアイセンサーに雪が付着して、モニターが映らない、オーバーグローブした状態だとOKボタンがすごく押しにくい(というか押せない)など。
動画は撮りやすくて良かったですね。
また気温は-3℃~-8℃くらいでしたが動作になんの不備もありませんでした。
また電池も3時間強で380枚撮影して一目盛減った程度で予想以上に良い。
日帰りでは冬でも安心して使用できそうです。
でも吹雪くような雪山はD750の方がいいかなぁ。
因みに気温や風による動作不具合はありませんでした。と言っても気温は-5℃くらい。
でも肩につけて吹きっさらしだったから、風速23m/sだと体感は-28℃?
機材にも当てはまるのかは分かりませんが。
出番が無くなると思ったD750ですが、まだ出番がありそうです。
そう言えばGPSトラック用に中古で導入したKyoceraのAndoroid One S4もこの環境で残り65%程度。雪山でも1日は持ちそう。前掛けのパーゴワークスのSwingに裸で入れてあったので、電池には厳しい環境。
スノーシューとワカン
浮力は絶対的にスノーシューの方があると思いました。爪付きもあるので大概はこれでこなせそう。
大きさもワカンより少し大きい程度なので実際大して変わりません。
ただ重さは重いみたいですね。
そして浮力はある代わりに急傾斜が苦手なのは通説通りのよう。
だけど稜線上なんてラッセルもあれば急傾斜もあるから、難しいですね。
扱いになれれば急傾斜でも行けるのかな?
高いけどちょっと欲しくなってきた。
そういえば夏沢鉱泉にレンタルがあったような・・・。
どうでもいいですが、最近のスキーヤーやボーダーのウェアやザックは登山用を使うんですね。
まぁ高機能だし普通に使えると思いますが。
BCのひとだからかな?
BC
皆さん板背負って登るのスゲェなぁと見ていましたが、八方池の上あたりから降りているシュプールが沢山あり、確かにこれは最高に気持ちよさそうだと思いました。
久しぶりに滑りたくなった。
板持って登って、板デポって山頂踏んで、下りは滑って下りるって楽しそうだなーとか思いましたけど靴が難しいですね。
後は午後はゲレンデ荒れてるから微妙か。
サングラス
前回赤岳で使って気に入ったサングラスを持って行きましたが、このクラスの風になるとサングラスじゃ太刀打ち出来ませんね。
曇らなくてもガンガン雪入って来て見えなくなる。
吹雪く時はゴーグル一択か。
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