1泊:西穂独標テント泊
会社の山人に誘われて。
元々は2泊3日で室堂に行く予定でしたが、メンバーの1人が休みが取れず急遽西穂高へ変更。
何気に行ったことがなかったので、ロープウェイもお初となります。
元々雪上テント泊やりましょう的な企画でしたが、晴れが続いて雪はほぼ無しの様子。
1日目は快晴!SCWでここまで雲がないのは久しぶりに見た!
新穂高ロープウェイ〜西穂山荘
ロープウェイ付近は紅葉真っ盛り |
外まで行列することもあるんだとか |
笠が見える |
鍋平にある有料駐車場の中では最も手前の登山者用駐車場に停車。600円也。
新穂高ロープウェイまで5分ほど歩きます。
ロープウェイはお昼という時間もあってか登山者は少なく、列もたいした事なくラッキー。
こらがハイシーズンだと外まで行列出来るみたい。
ロープウェイから降りるとすでに雪が。
おそらく先週末に降り積もった雪が溶けて、日陰の部分が凍って残っている様子。
準備完了 |
笠ええわぁ |
アイゼンする程でもないのかつける雰囲気では無かったので、つけずに進みます。
ソロの場合は多分チェーンアイゼンを履いてしまうでしょう。
最初はなだらかな木道などを歩き、少し下ってから急登を登りあげます。
途中ロープウェイを使わないルートの分岐がありましたが、今はあまり使われてないようなのでバリエーションでしょうか。
途中笠ヶ岳や西穂高が見えていい感じです。
西穂高がチラリ。イメージよりデカイ |
笠はいつ見ても美しい |
結構凍ってます |
急登の部分は整備されているので凍っていてもアイゼン無しでなんとか登れます。
ただ少し傾斜がついてたりするとズルっといくので、やはりアイゼンつけるべきでしょう。
途中街歩きのような人や、アイゼン無しはもちろんスニーカーの人も多くいました。
ロープウェイからすぐ来れるので来ちゃう気持ちは分からないでもないですが、夏ならまだしもこの時期でも来ちゃうんですね。
そりゃ遭難起きるわなと思った次第。
急登を登り終えると西穂山荘に到着です。
なかなか急な登り |
西穂山荘に到着ー |
中々大きい山荘です |
西穂山荘テント泊
早々に設営。皆ダンロップ系。 |
テント場はそこそこの人出 |
西穂山荘につくと早々にテントを幕営。
もし雪上だった場合は竹ペグや割り箸があると良いそう。クロスさせて、そこに紐を通して埋めておく。凍ると撤収時に掘り出すのが大変だからとのこと。ピッケルでも一苦労だとか。ほうほう。
割り箸でベースを作っておくと、紐を引っ張るだけで折れてくれるので撤収が簡単らしい。
なるほど。
テント設営完了した後は山荘に設営料1000円を支払い、その後はひたすら食べて呑んで。
とりあえず乾杯 |
リーダーが用意してくれたエゾシカのウインナー、焼肉と続き、寒くなってきたら猪鍋に移行。肉しか食べてない。
ウインナーはナイフで切っていたけれど、切れ味抜群。砥いであるそうで、流石です。
エゾシカのウインナー |
猪鍋 |
切れ味抜群 |
肉やわらかぁ~ |
エゾシカは北海道に猟に行った際に獲ったものを捌き、一部知り合いにソーセージにしてもらったんだとか。凄い世界だ。
ウインナーは肉肉しくて旨いし、焼肉はとても柔らかくて美味しい。うんまい。
自分で獲って捌いて食べてる人が準備してくれるとこんなに美味いものなのかと感動。
猪鍋はクセが強くてあまり美味しくないイメージだったけど、脂が甘くてとても美味しい!
大きめの鍋に水と下ごしらえ済みの野菜を入れて煮込んで味噌を入れる。
調味料と肉一式は保温バッグに詰めてました。
お酒は焼酎を割って。
紙パックだと900mlとちょうど良い量で、その後つぶせるので便利。
お湯をちょこちょこ作ってお湯割で飲みます。
防寒着として
上はメリノウールのベース→化繊ダウン→ソフトシェル→ダウン
下はメリのウールのタイツ→パンツ→レインパンツ
を着込んでいましたが、それでも寒い。
特に日中は日が当たって暑かったくらいなのに、日が落ちるとこの冷えよう。難しいです。
遠く白山に沈む夕日 |
灯油のストーブ |
寒さを鍋と酒で凌ぐ |
寒くなったらとにかくお湯をガンガン飲めとのアドバイス。お酒強くないので適度に割りながら飲みます。
因みに防寒着は冷える前に着込んだ方が良いそうです。
リーダーの話を聞いていると、やはり山での経験が豊富(山行&猟)なだけあっていろんなノウハウが。
今まで経験豊富な人と行ったことがなかったので、とても新鮮でした。特に寒い時のノウハウ。
やはりインターネットでは身につかない事はたくさんある。
その後声が大きかったのか同じテント泊の人に注意を受けました。山小屋の消灯が21時だからとついつい声が大きくなってたようで、申し訳ない。
2シーズンシュラフしか持っていなかったので、3シーズンモデルを貸していただき、これまた寒さに震えることなく寝る事が出来てありがたい。
ポカラの-6℃まで対応のモデルにシュラフカバーをかけて前述の防寒着にプラスで象足もつけてなんとか寒さを感じずに寝れました。
深夜のテント内の気温は-20℃。
ただ酒の影響もあってか深くは寝れず睡眠不足。それでも寒さをあまり感じないのでありがたい話です。
西穂山荘〜丸山
翌日は日の出を見に上がります。
少し上がっただけで笠ヶ岳、焼岳、乗鞍岳、霞沢岳、西穂高岳を一望出来ます。
快晴の1日目に写真撮りに来ておけば良かった!
満月の月明かり |
まだ闇に沈む笠ヶ岳 |
乗鞍と焼岳を一望 |
ご来光は八ヶ岳の蓼科山のお隣から登ってきました。八ヶ岳は形がわかりやすいですね。
八ヶ岳、蓼科山のお隣から |
朝焼けに染まる |
霞沢岳。かなり特徴的な山容だと思う |
ご来光後に一旦テントに戻り、朝飯を食べます。
インスタント味噌汁に塩にぎりをぶち込んでねこまんま。旨い😋
これ中々良いかも。。。食欲ない時でもスルスルとかきこめるし、あったまる。
柔らかい光に包まれる乗鞍と焼岳 |
一旦下って朝ごはん |
お二人は昨日の猪鍋をおじやに。自分はねこまんまスタイルで |
魚肉ソーセージもほおばっておく。 |
その後そのまま帰っちゃう案も出ましたが、自分は一つくらいはピークハントしたかったので独標までは行く事に。
丸山〜西穂独標
昔は火山だったそうな |
まずは丸山まで |
西穂山荘から丸山までは特に問題なく進めます。丸山から先は急登のガレ場です。
ザクザクと登り上げると独標が見えてきました。
振り返って |
独標まで向かいます |
あれが独標か |
これは岩なのか?地形なのか?
スリルあるトラバースを抜けると核心部への取り付きです。
核心部は垂直な登り上げ。
バランスを意識しながら落石しないよう慎重に登ります。
塩見の直下や八ヶ岳の真教寺尾根を思い出す感じですが、より垂直で、高度感があります。
落石に注意して登る |
しばらく登ると独標へ到着。
ここまで来ると奥穂高がその威容を見せつけてきます。独立峰ではないですが、その険しさ、大きさは何者をも寄せ付けない威厳を感じさせます。
要するに、カッコいい。
荘厳な山容の奥穂高 |
険しい |
西穂高までと奥穂高で全く山容が違う |
ここから西穂までも行けなくはなさそうでしたが、今回はリーダーに従いここまでで引き返します。最終的に自宅に帰る時間や体調も考えると、これで正解だった感じがあります。
そこまで読んでいたならさすが、と言うしかない。
今回は安全に穂高の一面を感じる事が出来ました。
下ります |
立ちはだかる笠ヶ岳 |
素晴らしい景色を眺めながら |
遠くには白山も |
このトリオほんとにいいなぁ |
見納め |
その後は早々に下山。
テント撤収時に自分が最後になってしまい申し訳ない。明け方に寒いからやらなかったんですが、事前にもう少し整理しておくべきでしたね。
ロープウェイを使わないルートがある模様 |
結構一般の方いましたけどね |
ロープウェイ待ち |
展望台からでも笠ヶ岳の山容を拝めます |
下山です。 |
西穂山荘からの下りはアイゼンを装着します。チェーンアイゼン以上があれば問題なく下れます。アイゼン無しでは転ぶのも必至でしょうが、アイゼン持ってなさそうな人も続々登ってきていたので、大丈夫かなぁといつもの要らぬ心配です。
ロープウェイまで下って降りたら終了です。
昼ご飯を少し遅めにして駒ヶ岳SAまで行き、駒ヶ根名物のソースカツ丼でシメ。
福井県のソースカツ丼と違いめちゃ分厚いので山行後にはちょうど良いタンパク質の補給です。
所感
防寒着
リーダーはダウンではなく薄手フリース→シェル→厚手フリースだった。
そう、ダウンではない。
フリースの方が寝ても潰れないので暖かいとか。パタゴニアのR1は日本ではオーバースペックらしく、R2かR3あたりがオススメらしい。
また自分はダウンの上にシェルを着ていたが、(防風用と思っていた)ダウンは1番上に着た方が潰れずに防寒性能を発揮するとのこと。言われてみれば確かに、だ。
メンバーの方がダウンパンツを履いていたが、かなり暖かいと言っいた。
足先から暖めるのがやはり効果が高いんだろうか。寝るときに履いた象足もかなり暖かさに貢献していたように思う。
シュラフ
シュラフカバーと3シーズンモデルでここまで寒くなくなるとは。
コンパクトさを求めて300SLにしたが、寒くて寝れなきゃ意味がない。
しかも圧縮袋で圧縮すれば大きさ3シーズンモデルも300SLもさして変わらない事が分かった。
3シーズンモデル。。。欲しいなぁ。
テント
夜がふけるにつれて地面がどんどん凍っていき、撤収時にペグを抜きづらくなっていた。
雪が無くてもこれだから、雪が積もっていれば確かにもっと抜けないだろう。
これもリーダーが何度も言っていた。
アイゼン
リーダーとメンバーの方は12本爪アイゼン。自分は10本爪とチェーンアイゼンを持参した。整備された樹林帯の微妙な氷具合は12本爪アイゼンではオーバー気味で、チェーンアイゼンだとちょうど良かったように思う。
樹林帯でも急な下りだとチェーンでは歯が立たないが、整備された道は慣らして段差にしてあるので、引っかかりにくく軽いチェーンの方が向いている。適材適所かなと感じた。
もちろん稜線上の独標への登りのような所で凍っていれば、前爪のあるアイゼン以外に選択肢はないだろうと思う。
撮影機材
Nikon D750
Nikon AF 24-85mm f2.8-4D
SIGMA 17-35mm f2.8-4
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