1泊:燕岳ピストン
7月になっても梅雨が明けない鬱々とした中、ほんの少しの晴れ間がありそうだったので、そこを狙って山へ行くことにしました。
集中豪雨の影響で穂高エリアはアクセス不可、中央アルプスもなんとロープウェイに通ずる道が雨量規制で通行止めのためロープウェイは運休。
南アルプスはコロナで広河原に入れないし、聖岳は狙えなくはないけれどあのあたりの道も無事かどうか怪しい。
という事で現状でもそこそこ人が入っていそうでアクセスに不安のない北アルプス白馬エリアか常念山脈に的を絞ることに。
白馬に行きたい気持ちが強かったんですが、どうも北に行くほど雨がかかりそう。
なので常念山脈の中房温泉から燕岳、大天井岳を目指すことにしました。
中房温泉~合戦小屋
いつものごとく自宅を2:30頃には出発。
駐車場には6時ごろ着きます。
前日就寝できたのが22時ごろだったため、睡眠時間は3時間程度。
大丈夫だろうとたかを括っていましたが。。。
第二駐車場は閉鎖されていましたが、第一は工事もある関係か開放されていました。
中房温泉まで少しだけ歩く |
思ったより気温が低い |
中房温泉にある登山口より入山します。
懐かしい感じのポスト |
燕岳登山口です |
入山してからしばらくして、ヘッドライトを車に忘れてきたことに気づきました。
取りに戻るか悩みましたが、スマホを2台持ってきている関係も有り、なんとかなると判断して進みます。
途中一か所だけ根こそぎ倒れた倒木が道を塞いでいました。
くぐって抜けることは可能でした。帰りには応急処置が施されていました。
通過した後。雨の影響でしょう。 |
ちょっとだけ朝日 |
第一ベンチ。水場はここにしかないです。 |
第一ベンチを過ぎてからひたすら登って行きます。
合戦尾根は急な区間がありますが、良く踏み込まれていて問題なく登って行けます。
ただそうは言ってもコースタイム3時間登りが続くため、体力的にはしんどい尾根です。
おぉ。銀竜草だ。久しぶりに見た。 |
休憩スペースが適度にあり、しっかり均されています。 |
ゴゼンタチバナ。一時期ゴゼンタチバナと山紫陽花を混同してた。 |
パラパラと雨も降りだしたためレインウェアを着込みザックカバーを取り付けます。
以前鹿島槍に行った時とザック重量はさして変わらないはずですが、やけに重い。
雨も降ったり止んだりで気が滅入ります。
途中から登山道に岩が多く出て来ますが、普通の樹林帯の岩と違いざらざらした岩肌です。
故に雨で濡れているにも関わらずざらざらが食いついてよくグリップして滑りません。
他で見たことがない不思議な岩です。
そうこうしているうちに合戦小屋に到着です。
夏はここでスイカが食べられるらしいですね。
確かに暑い中あれだけ登れば食べたくなります。
登山道の途中にもありましたがゴンドラのようなもので物資を荷揚げしているんですね。
合戦小屋から燕山荘までは1時間ですからここからなら荷揚げが多少楽になるという事でしょうか。燕山荘の立派な建屋もこういった部分があってこそなんでしょうね。
幸いにもテントが張ってあったため中のベンチで休ませてもらいます。
寝不足が効いているのか明らかにいつもより疲労が激しいです。
合戦小屋~燕山荘
合戦小屋から合戦山まではすぐです。
合戦山を境に展望が良くなりますがあいにくの雨とガス。
展望はありません。
イワカガミ。不思議と稜線上ではあまり見かけず |
合戦山山頂。展望良さそうだけどガス。 |
道はなだらか |
ここだけ鎖がありますが、特に問題なし |
燕山荘が見えました。後少しが急登です。 |
燕山荘に到着した頃にはヘロヘロ。
展望もガスでありません。
寝不足で何が良くないって、気力が削がれるところですね。
ネガティブになる。
本来なら頑張れるところでくじけそうになります。
大天井岳まで行く予定でしたが、疲労度合いから諦めます。
燕山荘のテン場に設営してそのまま昼寝モードに突入します。
改装中? |
しばらく昼寝してゴロゴロしていると、聞き覚えのある鳴き声が。
雷鳥です。
しかも3羽の子連れ。
親鳥も可愛らしいんですが、ひな鳥がこれ以上なく愛らしいです。
階段から降りる時にころんだりしている所を見て癒されます。
雷鳥は人間に対して警戒心が薄めなので、じっとしていれば結構近くまで来たりします。
そうこうしていると少しだけ晴れ間がのぞきました。
北アルプスの女王、こと燕岳が姿を現しました。 |
このアングルが一番良く見るやつですね |
確かに美しい山だなと思います。
しかし疲れ切っているせいかいまいち感動が薄く、寝不足によるコンディション不足は感動さえも奪うのかとしばし呆然としました。
その後またすぐにガスに包まれたためこの日は諦めてテント内で読書に耽る事にします。
燕山荘ではdocomoで4Gが使えたため、(常念側に基地局があり稼働していたらしい)予備バッテリーもあるため携帯を使用していたのですがまさかの充電ケーブルを車に忘れて来た事に気づきます。下山にはもう一つのスマホとGarminで問題ありませんが、即機内モードに移行してバッテリー節約します。
ヘッドライトに続き、なんと重大な物忘れの多い事かと愕然とします。
また想定外に虫が多く、インナーにまで入ってきてしまうので困りました。
全部出し切るのも難しいのでほっときましたが。
雲に隠れている日が少しでも照るとテントの中の温度が一気に上昇して暑くなります。
外も雨が降ったりしているためうかつに出ることも出来ず、あまり開放的にすると虫が入ってくるためなんとも我慢でした。
その後就寝します。
イスカの300SLのシュラフを使用していますが、日が落ちた後がおそらく氷点下近くまで気温が下がっており、少し寒い思いをしました。
この季節でも寒いならもう一段上のシュラフの方が3シーズン快適に使える気がします。
朝4:00前に起床してご来光を拝む予定でしたが、なんと寝坊。
ぐっすり寝すぎました。よほど寝不足と疲れが効いていたのでしょう。
日が差して飛び起きてなんとか撮ったのが数枚だけ。
上層の雲が厚いため、モルゲンロートもほんの一瞬だけでした。
染まる燕岳 |
こちらまで光は届かなかった |
燕山荘~燕岳~北燕岳
寝過ごしましたが、もうこの日は燕岳のみピストンして帰る事にします。
雨雲が早めに推移しているようなので、大天井はスキップして早めに降りる計画です。
軽荷で燕岳を目指します。
コマクサが群生 |
コマクサと共に咲くタカネスミレ |
よく、見るイルカ岩と槍ヶ岳 |
燕岳への稜線は白砂と岩、緑のコントラストで美しく、晴れているとさぞ美しかろうと思います。またコマクサやタカネスミレ他の高山植物が多く咲いています。
アプローチが良く、日帰りも可能で山小屋も充実、安全な登山道で展望や高山植物も楽しめる。人気があるわけですね。
山荘から山頂までも近い |
振り返って |
山頂はやや狭い |
北燕岳に向かいます。 |
山頂直下にテントを張っているパーティがいました。
指定地ではないですが、この時期だから、でしょう。
かなり斜めで張っていたので凄いなと思いました。
北燕岳までもさして遠くなく、散歩がてら向かいます。
山頂直下のみ岩登り |
立山、劔ですね |
針ノ木が近くで見れると思いましたが、思ったより近くなかったです。
餓鬼岳まで行かないとダメかな?
しばし展望を楽しんだ後、山荘に向けて戻ります。
北燕岳の直下のみ気を付けて下ります。
燕岳はトラバースでスキップします。
岩の間から大天井岳 |
下山
燕山荘に戻ってきたら早々に撤収作業を行い下山に取り掛かります。
空の様子から晴れることも期待出来なかったため、早く帰る事を優先します。
大天井岳はまたいつか |
なかぶさって読むんですね |
下り始めます |
昨日よりは展望が得られていて、やはり合戦山から燕山荘までは展望の良い道だという事が分かりました。昨日ももう少しこの展望が得られて入れば元気をもらえたんですが。
見納め |
合戦山までサクサクと下り、コーヒーで一服します。
後はひたすらに下るだけです。
途中合戦小屋で人数多めのパーティとすれ違いました。
若い人が多めで、ガイド登山のようでした。
やはり燕岳は若い人に人気なのかな?
良く踏み込まれた道なので、大きな段差が少なく、下りも快調に下っていけます。
下りと言えば今読んでいる登山の運動生理学でトレッキングポールお勧めしてたからそろそろ使おうかなぁとも考えています。
今まではトレッキングポールは補助を使う甘えのような気がしてなんとなく使う気がしなかったのですが、疲労を蓄積させず、自分の行動に余裕を持つためには使うべきかなと感じ始めています。ただ写真の速写との兼ね合いが難しいところですね。
時間に余裕があるため、気持ちに余裕が出ます |
可愛い |
どう見てもかぼちゃ |
若葉が生えていく過程 |
リフト支柱ですね |
第一ベンチまで降りて来ました |
銀竜草がこんなところに!? |
萌える・・・! |
倒木の所が処理されていました。 |
終わり |
温泉いただきました |
下った後に中房温泉やってたのでひとっ風呂浴びます。
時間が時間なので露天が貸し切り。最高です。
片方は熱すぎて入れませんでしたが。綺麗な温泉でした。
下山後に信州のお蕎麦屋さんで天ぷらそばをいただきました。
地物野菜を使ったり、蕎麦もいい香りがしてさすが名産です。
店員さんと接したりすると感じるんですが、安曇野の人々はなんだか優しい人が多いように思います。雄大な山に囲まれているから心も広いのでしょうか。
所感
反省点
今回は反省が多い山行でした。
まず寝不足状態&長時間運転&テント泊装備という悪条件が重なった事。
やはりもう3時間睡眠で活動するのには無茶な年齢になったのかもしれない。
ザックの重さに早々にお尻が痛くなり、重さを感じていました。それが疲労につながっています。そこはおそらく寝不足後の長時間運転直後だからかなと推察します。
以前鹿島槍の時はほぼ同重量だったように思いますが、ここまで疲れは感じなかったように思います。
次から前日のうちに出発して車中泊、そこから登山にする方が気力&体力が持つと思いました。特に雨もあってか気力があそこまで削がれると思っていなかったです。
せっかく楽しみに来ているのに、これではなんだかなぁという感じです。
次に忘れ物の多さ。前日から用意していましたが、充電中のヘッドランプを忘れて出発が遅れる、さらにそのヘッドランプとスマホ充電ケーブルを車内に忘れるなどひどいものです。
前回も常念岳で通信手段であるiPhoneを車内に忘れています。
元々物忘れが激しい方ではありますが、致命的になるものを忘れているので本当に危険です。さすがにもうチェックリストを作り、出発前と車から降りて山行を始める時の2回チェックを行うべきだと感じました。
Garmin fenix 6X
instinctのバッテリー他に不満があったため、導入しました。高かった。。。
しかし値段に見合うだけの性能はありました。1泊で使った(停止時はGPS一時停止)にも関わらず、76%もバッテリーが残っていました。なんてこった。
バッテリーに気を使えば、長期縦走にも耐えうる性能です。
またボタン類の押す固さが適正で間違えて押されることがなかったり、自動ロックがかかる、何より山と高原地図がそのまま入っていて使えるなど驚異的です。
Garminおそるべし。
口コミでは画面解像度が低いとかいうものも見かけますが、本製品の価値を本質的に理解してないですね。そこじゃない。登山などのアクティビティに特化させるためにこの仕様になっているんだと理解出来ます。
カメラ機材
長く使ってきたコットンキャリアにガタが出始めています。
アタッチメントが削れてきているのかうまく入らなくなってきているし、ベース側の縫製が駄目になってきてベースが動きつつあります。
これだけ使っていれば壊れても仕方ないかなと思います。
次はどうするかな。
また超広角域としてNikon 18-35mm 3.5-4.5Gを持参しましたが、やはりこのレンズ、今となっては中途半端な感じが否めません。
24-85を中核にしているため通常は24mmでほぼ事足ります。
18mmの広角を生かせるのは被写体にしっかり寄れる時。
遠景で撮る時は15mm付近までないとパースが弱く、超広角らしさが出ません。
35mmが広角端だった時代ならいざ知らず、DXレンズで換算15mm、スマホでも同等の画角を表現出来る時代に、このレンズは如何ともしがたい。
軽いのはいいですがAFは早くないし大きさはそこそこあり嵩張る。
かと言って16-35は重い&デカイし、DX10-20は使える14mm以降も状況によっては周辺減光がひどいし。
Zシステムに移行できれば14-30f4といフィルター使えて軽くコンパクトな神レンズがあるから最高なんですがまだ資金が。。。
キットレンズと合わせると30万は欲しいしなぁ。
悩ましい。