ビミョーに古いレンズ特集5 | Nikon Ai 50mm f1.4 レビュー&分解清掃



引き続いてNikonの昔のキットレンズと言われたAi 50mm f1.4分解清掃いってみよう。
もうビミョーにでもなんでもなくフツーに古いレンズになってきた気がする。

ヤフオクで5000円ほどで購入。
安ければなんでもいい、というわけでもなく。

Ai 85mm f2の状態が悪いものに手を出したところ、ピントリングが一切動かない個体でした。最近よくあるヤフオクの商品説明の散文内によーく見ると固着の件も書いてあった。
説明文の見落としですね。あんなにどうでもいいことあることないことごちゃごちゃ書かれてりゃ見落としもしますけど。

まぁ元々ジャンクなので分解トライをしましたが、ネジも固着しており回らず舐めるし、カニ目で空ける押さえ環もあまりに固くて舐めるしでもうどうにもならず、悔しいが破棄しました。

ということで本レンズは固着ものは避けてあくまでカビありくらいのもので、見た目もあまり汚くないやつで。

分解清掃


カビるんるん。。。

こちらも中々ネジが固かったんですが、パーツクリーナーを綿棒につけてネジに浸透させてしばらく待つと回せました。
工具も前回Anexの精密ドライバでうまくトルクをかけられなかったので、VESSELのものを購入。Vesselの方が明らかに使いやすい。

  

因みにカニ目レンチは以下のジャパンホビーツールのものがとても良いです。
説明書にある押す8:回す3の力で回すとうまくトルクをかけられます。
ピンセットでは刃が立たないところもなんのその。
やはり工具はきちんとしたものを使うに限ります。


化粧板をゴムで外して中身を抜いたところ

レンズはユニットになっております

さて、前玉側でピントリングを最短まで回せばイモネジが見えるので外し、ゴムで化粧環をぐるぐるするとユニットごと外れます。


さらに接着剤をパツクリで溶かし、押さえ環を外していくとレンズをふきふき出来るようになります。絞りは良い子は触らない。

レンズ清掃だけならこれだけでもいいんですが、今回ピントリングもスカスカかつ引っかかるという具合の悪さで、明らかにグリスが劣化しているためヘリコイド分解にも挑戦です。
ピントリングのゴムや化粧板を外し、マウントも外して絞りリングを外すとヘリコイドが見えて来ます。

ばらしきった図

んでヘリコイドを抜く前に罫書を忘れずに。
自分は無限遠位置で罫書をしましたが、抜く直前に罫書しなかったため入れるところが分からないという意味のないことに。
因みに直進キーは外さなくてもヘリコイドは抜けますが、ついていると入れられないので結局外します。
そういえば直進キーとヘリコイドの関係性って面白いですね。
こうやって回転を直進に変えてるんだー。へー。って感じです。

気を取り直してヘリコイドは金属製なので中性洗剤でがっしがっしと洗います。
綺麗ってきんもてぃういぃ!

新しいグリスは専用のグリス。。。ではなく敢えてのホムセンに売ってるホワイトグリスを使用。どこかで見かけた情報をあえて鵜呑みにしてみます。
本来は揮発性が高いグリスだとレンズに悪影響を及ぼす可能性もあるだろうとか懸念はありますが、まぁ、失敗してもいいでしょというつもりで。


指に塗ってヘリコイドにぬーりぬり。


ヘリコイドだけ入れたの図。直進キーはまだつけてない

後は元通りくみ上げて完成!



と、そうは問屋が卸しません。


無限遠が出ない!予想通り!


はい、再バラシです。
やはりヘリコイド抜くときに罫書しなかったのが致命的だったかと後悔しながら何度も入れたり出したりします。
しかしどうも無限遠位置の罫書が揃う入れ方は1パターンしかない。

んー?と思いながら調べていると見つけました。
どうやらこのレンズ、前玉側の化粧板を外すと見える3つのビスを緩めることで距離指標が回るため、それで調整する機構のようです。

ということで何度か確認、調整を繰り返したところだいたい無限遠出ました。
最短側のストロークに対して無限遠側のストローク幅が狭いため、微妙な調整が必要です。

ホワイトグリスのトルク感は悪くはないですが良くもない。
またピントの端では少し引っかかりが残ったままでした。まぁ実用問題ないから気にしません。

出来上がり

実写

綺麗になったのでいざ撮ってみます。
開放はショートケーキにあんこを塗りたくったみたいにあっまあまかと思っていたのですが、意外や意外。
光の元であれば中心部は解像しています。
もちろんピントが合っていれば、ですが。

開放f1.4というのがここまで違うのかという驚きがあります。
f1.8から1段明るいだけですがピント面が浅い浅い。
これがキットレンズみたいなもんだったというのだから驚きです。

ƒ/2.81/150050 mmISO 280

ƒ/1.41/400050 mmISO 100

開放では周辺減光は割とありますが自然ですね。
開放では中心部はしっかりと解像しているのは意外でした。
状況によっては中心からフレア気味です。
逆光時はf2.8まで絞ってもフレアが発生していますが、コーティングも古いものですし、不自然なフレアではないのでこれはこれで、と思います。

ƒ/1.41/18050 mmISO 100

/1.41/400050 mmISO 100

ƒ/2.81/12550 mmISO 180

ƒ/41/18050 mmISO 100

f2.8まで絞れば周辺減光は改善。
f4まで絞れば全体で解像感が増します。開放付近で見られるフレアも見られません。

50mm f1.4Gよりもコンパクト。
実測で253.3gと軽量。
最短撮影距離も手ごろな0.45m。
中古市場で安価で豊富な玉数。

絞りで描写が変わるのが分かりやすく、表現の幅が広いところ、扱いやすい画角、
軽量コンパクトな鏡胴と正に標準レンズの王道といったところでしょうか。
40年前のレンズでも楽しめるとは結構な事です。

現行Gレンズと異なる点はレンズ構成枚数が少ない事と、絞り羽が7枚で円形絞りではないためボケが少し固いところでしょうか。

むしろ長く変わらなかった50mmf1.4をGレンズにした際に構成や絞り羽根を変えたんですね。ボケをより意識したという事ですよね。

となるとf1.4Gも興味が湧いてくる。。。


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