ビミョーに古いレンズ特集4 | Nikon Series E 100mm f2.8 レビュー&分解清掃



NikonのSeires Eを購入、分解してみました。

コロナ騒動で家にこもる事が多いので、自然と家でなんかできないかなぁと。
ヤフオクを眺めているとSeriesEの単焦点、100mmf2.8がなんと2000円。

カビ有りとのこととでしたが写真で見た感じ後玉と前玉。 単焦点だし、安いしダメもとで試しに分解清掃してみるかとポチー。
レンズの分解は初めて。





いざ届いてみると外装は悪くないものの、カビは結構ひどいです。
特に前玉はまぁ無視できる範囲ですが後玉は一面にカビが広がっている状態。
分解清掃に夢中でカビ取り前の写真は撮り忘れ。

試し撮りするとやはり若干白っぽく、フレアー気味です。
まぁこんだけ後玉がカビてりゃ、ね。

3群&4群清掃


さっそくマウントのネジを精密ドライバーで外していきます。
因みにヘッドライトは作業にとても便利です。


マウントのネジは3本で止まっています。
サクっと外して無くさないように何かのケース内などに入れておきます。
全般ネジが小さいため、何かに入れたりしないとまず間違いなく無くします。
ネジはネジロック使っているのか分かりませんが最初少し固いので、押し付けながらグッと回します。押し付けなかったり瞬間的な力を与えなかったりするとなめやすいです。
ドライバーでトルクをかける時は押し付ける、という事は地味なようで重要。



マウントが外れました。中に後ろ玉がネジ3つで止まっているのでこれも外してしまいます。写真の黒い円筒が後ろ玉がハマっていた土台。
後玉を嵌めているケースがあり、ケースもネジでハマっているだけなので外すと後ろ玉がコロンと外れます。


後ろ玉とマウントを外した中身。
がらんどう。

ヘリコイドも見えますね。
上部にある板バネが絞りのクリック感を出していることが分かりました。
コストを抑えて機能を満たす工夫ですね。
絞りリングはハマっているだけで簡単に外れるので外して板バネの接触部を清掃しておきました。息子のおしりふきで(笑)

ヘリコイドグリス持ってないし、ピントリングの動きは比較的スムーズだったのでヘリコイドは無視。
というかヘリコイドに手を出すと戻せない or 無限遠を出せなくなる臭いがプンプンします。まぁ適切にマーキングすればいいんですが、今回はカビの範囲がヘリコイドまで分解せずとも良さそうだったので。




4群の後ろ玉は自由になったのでハクバのレンズクリーナー(アルコール不使用のもの)を
クロスに吹きかけてキュッキュ。
無水アルコールとか持ってないんで。雑とか言わないでください。

あんなに広がっていたカビも綺麗に!結構取れるもんやん!

ちょっと楽しい。

3群にもカビがいたので同じくクロスで拭いて取りました。
厳密に言えば拭き跡がつくとかなんとかあるんでしょうけど、
お試しだし、フィルターの汚れが大して影響しないように写りに大きく影響する事も
なさそうだし。何より新品時を体感するよしもないので、今より良ければよしという雑な考えです。

後ろ側は元通りに戻してマウントします。

1群清掃


お次は前玉。
Amazonでは下記のような専用工具が売ってますがしょせんゴム。


ホームセンターで似たようなゴムを探して買ってきました。
前玉は凸レンズだったので、ゴムのロールや穴が開いてる椅子の足やパイプにかぶせるタイプのゴムがいいでしょう。200円-300円程度です。

んでまず銘板をゴムを押し当てて回して外します。



するとネジが6つ見えます。
内3つが1群を止めているネジなので外します。


ここで1群の外し方が分からず(ネジ込みかと思いゴムで回してみようとするも反応なし)
、とりあえず外したネジを取り出そうと横にしたら


ゴロン!

と、取れた。。。


ハマっていただけだったんですね。

で、外してみて後ろ玉同様ネジでカバーが止めてあるんだろうと思いゴムやゴム手袋を使って回そうと試みますが。。。外れねぇ!

しかも1群の後ろにもう1枚レンズがあり、土台で一体になっていてカビがある前玉の後ろにアクセス出来ない!

悔しい!と思いつつも前玉側は大したカビじゃないため軽く拭いて終了にしました。


そっ閉じ。


人間、あきらめが肝心です。
後は元通りにねじ込んでいきます。
因みにネジ穴が少し奥まっていてネジが小さいので入れにくいことこの上ない。

ピンセットを駆使して嵌めましたが、マグネット付きドライバーの方が良いかも分かりませんね。CPUレンズだと磁力の電子部品への影響が心配ですが。
ドライバーくらいなら大したことないのかな。

追記

外れました。外れましたよ。
押え環というらしいですね。調べた所ネジロック(接着剤)を塗布してある事が多いらしく、見たところ接着剤らしきものはありました。

そして接着剤を溶かすためにどうするか。
レンズの押え環外しでググってもいまいちうまく情報が見つからない。
アルコールで溶かしました、というのを見たので無水エタノールを買いに行くも・・・


コロナで売り切れ入荷無し


ガーン・・・。


次にアセトンリムーバーで溶かしたという記事を見つけてアセトンリムーバーなるものを調べると、マニキュアなんかを剥がす除光液に含まれているそう。ほほう。

妻がコンビニでも売ってるというので早速コンビニに買いに走るも・・・


シート状のものしかなく、しかも


安心のアセトンフリー!



違うんだぁぁぁぁアセトンが欲しいんですよぉぉ!


という事で空振り。
何かないかと接着剤を溶かすで調べると、石油系溶剤で溶けると。

あれ?家にあるパーツクリーナーでいけるんちゃう?

しかしパーツクリーナーはプラスチックを溶かす場合があります。

が、しかし。
1群を構成している部品を見るとどれも金属。
これなら使えるんじゃないか。
もしかしたらコーティングに悪影響とかあるかもわからないですが、まぁ2000円ですし。

んでパーツクリーナーを綿棒で吸わせて1周ぐるりと塗布。
すぐには動かず、しばらく放置してからクランプしてふんっといくと




パキッ


外れたぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!
見事に外れましたよ。

パーツクリーナー万能説。



上下外してみると1群は3枚構成。
キュッキュッと掃除するとカビも綺麗に取れました。

カビ取り前。フチにあるのがカビ

クリーン!


戻そうとしたところ、真ん中のレンズがどっち向きだったっけ・・・とかなんとかなりましたが、結局方向間違えたりするとカラカラ音が鳴ってレンズ動いてるのが分かったり、そもそも閉まらなかったりするんで着くようにしか着きませんでした。

まぁ工業製品の組立の基本ですね。(苦戦したくせに)

んで無事に収納して戻す事ができました。

描写

ちょっと明るめに映るレンズかと思います。タムロンみたい。
カビ取り前と比べるとコントラストがかなり回復しました。

それでも逆光時はフレアー気味だし、色は乗りにくい古いレンズらしい描写ですね。
ピント面の解像感は上々。

まだLED灯の下でしか撮っていないので、日中持ち出したら改めてって感じですかね。

100mm f2.8

100mm f5.6
日中も撮影してみました

f2.8 ISO100
f2.8 ISO100


f2.8 ISO100




レンズ自体はとても軽く、前後キャップ込みで233.3gしかありません。
軽いしコンパクト。
もしかして世界最小の100mmf2.8では?さすがにそれはないのかな?

50mm標準レンズと同等の取り回しの良さです。
この大きさ軽さで100mmf2.8ってえっ?ってなりますね。

最短撮影距離は1m。普通です。

SeriesE自体がリトルニコンと呼ばれるNikon EMに合うように作られたレンズ群だそうです。EMは今でいうZ50やD3500のような立ち位置のカメラでしょうか?
ユーザーのすそ野を広げるために描写は捨てないながらも取り回しの良さと価格の安さを優先したわけですね。

他にも

36-72mm f3.5
75-150mm f3.5
35mm f2.8

などありますがどれもコンパクトで比較的軽量です。
36-72mm f3.5は持ってるんですが標準レンズなのに最短撮影距離が1.5mなのがちょっと。。。で使用頻度は低いです。写りは開放で解像しながらもフワフワした雰囲気で絞るとかなりキリっとする面白さはあるんですけどね。
75-150mmはまさにポートレート用レンズ。最近タムロンが似たスペックのレンズ出してましたね。これもポートレートにいい感じです。


これらのレンズ群はプラを多用していて高級感はないかもしれませんが、その分絞り値や撮影距離の色遣いがカラフルでかわいらしいです。

Nikonのイメージは重厚長大ですが、軽くコンパクトに本気出したらこれくらい作れちゃうよ、でも描写は一定以上は良くないとね!という姿勢が見て取れて好きです。

今回の経験で単焦点なら案外分解出来る事、カビは取れる事が分かりました。
ヤフオク俳諧が増えそうな気がする。。。

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